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職業性ストレス簡易調査表 組織分析データ作成メリット

「職業性ストレス簡易調査票」の組織分析から
何が見えてくるのか



<組織分析から見えてくるもの>

数年前、ある企業様で組織分析をさせていただきました。

その企業のご担当者Fさん、社員の働きやすい環境を構築するために日々熱心にお仕事されていました。

理由は、別の会社に就職されたご子息が、メンタルダウンで休職し、結果、退職を余儀なくされてしまったからです。

お話をお聞きすると、ご子息の会社の社員の健康への考え方が、まぁ、最悪に悪い、経営層の勘違いも甚だしい事で、離職率も非常に高い企業で、Fさんは、その会社の人事部に直談判に及んだそうですが、結果、それ以上ご子息をその会社で勤務させる意味を感じず、ご子息とも相談した上で、ご子息の意思を重んじて、退職させたという事でした。

その反動というわけではないのでしょうが、Fさんは会社に懸命に働きかけて、「職業性ストレス簡易調査票」と、「職場環境改善意識調査(MIRROR)」を実施するに至ったのです。

まず、「職業性ストレス簡易調査票」を実施し、結構詳細な組織分析まで行いました。結果、Fさんの会社は、社員を大事にする非常に働き甲斐の高い、健康値の高い企業であるということがわかりました。

依頼を受けて、本当はよろしくないのですが、上司別の分析も行ったのです。上司によって健康値ややり甲斐に大きな差は出てきませんでした。どの方も、部下から良くサポートしてくれる上司と評価されておられました。

『おかしいなぁ』と、Fさんはおっしゃいました。『改善点が全然見えてこないですね』。
『そうですねぇ』と、私も相槌を打って、『どこを改善すればよいのでしょうか』。

そして、「職場環境改善意識調査(MIRROR)」に取り組みました。チェックする状況を統制しようと、ある工夫をし、チェックする個人個人の状況のばらつきを極力無くしました。

結果は、「差し迫った改善点は無し」。

Fさんが、またおっしゃいました『おかしいなぁ』。
『でも、すごく良い環境で皆さんお仕事されていますよね』と、私。
『それでは、会社に予算を出させた意味がないじゃないですか』とFさん。

たしかに、何人かは業務起因であるかどうかは別にして、メンタル疾患で休職はされています。Fさん曰く、休職者がいる以上、会社のどこかに改善すべきポイントがあるはずだ。「休職者を今後は一人も出させない。そのための改善点を見出し、職場改善を行う」という事を目的として、会社から予算をとった以上、改善点が見えてこないのは、困るといえば困ることではありました。

『しかし、何も問題点は出てこない』と、Fさんと私は頭を抱え込みました。
と、ふと、どちらともなく気がついて、笑い出しました。
『これって、すごくいい結果で、何も考え込む必要ないですよね』と、私。
『そうだね、この事をしっかりと従業員の皆に伝えて安心して仕事に励んでもらえばいいんだね。経営層にも伝えて、これからも社員を大事にする経営をすすめてもらえばいいんだ』

『あとやる事があるとすれば、復職者支援、リワーク支援ですね』

Fさんは、その後、全国の拠点を回って結果報告をし、各拠点で、会社がさらに良くなるためには何をすれば良いのかを、それぞれの拠点での視点から考えてもらう試みを行い、その結果、各拠点でも会社に対する満足度が向上したと報告をいただきました。

組織分析の結果の使い方は様々です。
問題点が見つかれば、それを解消するために何をすれば良いかを考える。改善策を見出すために、さらに別の調査ツールを使用するのも良いでしょう。その結果、半年後に追調査をして、良くなっていれば、胸を張って経営層や従業員の方々にそれを発表し、会社に対する愛情をさらにもってもらうのも良いでしょうし、リクルート資料に使って、良い新人を獲得するためにご利用いただいても良いでしょう。

最初から問題なく、健康な組織であれば、その事を経営層にも伝え、管理職層が、さらに何をすれば会社が発展するかを考えてもらう、従業員にも伝え、自分たちがさらに何をすれば会社も自分たちも健康維持しつつ成長するかを考えてもらうのも、ありでしょう。当然、リクルート資料にも使って、良い新人獲得に資する事も大事です。

お金と時間をかけてES調査(従業員満足度調査)をしても良いでしょうが、厚生労働省が義務化の中で標準と定めた「職業性ストレス簡易調査票」だけでも、そこそこのES状況(従業員満足度)を確認することができます。ぜひ、上手に役立ててください。